介護保険はどう変わる?5つのポイント

低所得者の保険料軽減を拡充

給付費の5割の公費に加えて別枠で公費を投入し、低所得者の保険料の軽減割合を拡大する。

 

軽減例 :年金年収80万円以下5割軽減→7割軽減に拡大

軽減対象:区市町村民税非課税世帯(65歳以上の約3割)

 

一方、所得の段階をこれまでの6段階から9段階とし、高齢者の保険料を上げる事となりました。

 

利用者負担の引上げ

介護保険の利用者負担割合は、所得水準にかかわらず1割であったが、2015年8月から一定以上の所得がある者については、利用者負担を2割に引き上げる事となり、所得は世帯単位ではなく、個人ごとに判断する。

厚生労働省は年間の年収収入が280万円以上の人を想定しており、在宅サービス利用者の約15%、特別養護老人ホーム(特養)の入居者の約5%が対象となる見込みです。一定以上の所得の線引きについては、今後定められるが、厚生労働省は合計所得金額160万円(単身で年金収入のみの場合は年金収入280万円)以上とすることを予定しています。

 

特別養護老人ホームへの入所は「要介護3」以上に限る

2015年4月以降に新たに入所する人は原則、要介護度が要介護3以上に限定する。

現在は要介護1~5が申し込めるが、入所希望者が多いのに施設数が足りないため、自宅で暮らすのが難しい中重度の人を優先する。ただし、既に入所している者についてはこの限りではなく、要介護1または2であっても、やむを得ない事情により特別養護老人ホーム以外での生活が著しく困難であると認められる場合には、区市町村の関与の下、特例として新規入所を認める事としています。

 

介護予防給付の区市町村事業への移行

要支援1・2の対象者について介護保険本体の給付(予防給付)から、訪問介護と通所介護を外し、対応するサービスについて市区町村による地域支援事業に移行させ、新たな介護予防・日常生活支援総合事業に再編成するこれらの訪問介護と通所介護のサービスは、区市町村ごとに内容や利用料を決め、介護保険の事業者だけでなく、ボランティアやNPOにも委託できるようになります。

2015年度から順次移行し、2017年度末までに完了するようです。訪問介護及び通所介護以外の訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション等については、現行どおり介護予防給付に残します。

 

補足給付に資産を提案

特養や老人保健施設(老健)へ入所する際、原則として自己負担となる食費や部屋代について、所得の低い住民税非課税世帯の人や生活保護受給者などに費用の一部を補助する(補足給付)制度があります。

資産を多く有するにもかかわらず保険から給付が行われるのは不公平であるとの観点から、一定額超の預貯金等がある場合には、補助給付を支給しない事となりました。

また、入所者本人が非課税でも夫や妻が課税されていれば対象外となるほか、非課税扱いの遺族年金や障害年金も課税扱いの収入と仮定して判定するようです。