2015年4月より介護保険法の改正が始まります

2000年開始の介護保険。3年に1度の改定を重ね、本年もその改定の年になります。

 

◎「地域包括ケアシステム」とは

高齢者が要介護者となった場合でも、住み慣れた地域で生活が続けられるように、サービスを受けられる支援体制を言います。

このサービスは、医療・介護・介護予防・生活支援・住まいの5種。このシステムを実現するには、要介護状態の高齢者の情報を医療・介護で共有する事が必要であり、今回の改定で「地域ケア会議」の法強化が盛り込まれています。

この「地域包括ケアシステム」の調整役は、地域包括支援センターやケアマネージャーです。しかし介護保険の財源・人材確保が困難と予想されています。よって国の定める「地域包括ケアシステム」を実現させるには民間のボランティア・NPO法人のボランティアの協力も必要であり、人材育成、人材確保に努めることが必要であります。

 

◎介護予防給付の1部が地域支援事業に移行

要支援Ⅰ~Ⅱの方を対象とした訪問介護と通所介護が地域支援事業に移行されます。

簡単に言えば、全国一律で提供されていた要支援者対象の訪問介護と通所介護が、各区市町村の判断でのサービス内容になるとにこと。よって自治体ごとのサービス格差が問題視されています。

 

◎地域での生活支援

地域支援事業は要介護認定非該当の方々を対象とし、今までは1次予防と2次予防に区分されていました。今回はこの区分をなくし、そして要支援者向けのサービスとセットにして、新たな総合事業がつくれる予定です。例えば、見守りや安否確認や外出支援といった介護保険外の自費サービスへの充実が図られます。

 

◎低所得者の負担軽減

低所得者の保険料の軽減割合を拡大する。給付費の5割の公費に加えて別枠で公費を投入し、低所得者の保険料の軽減割合を拡大する。

軽  減  例:年金収入80万円以下5割軽減⇒7割軽減に拡大

軽減対象:区市町村税非課税世帯(65歳以上の3割)

 

◎高所得者・有資産者の負担増

介護保険創設以来、利用者はサービス費1割負担であったが、改定後は単身での所得が280万円以上である方々は2割負担となります。

 

◎高所得者の自己負担限度の引き上げ

介護保険には、高額介護サービス費という自己負担限度が設けられています。住民税課税世帯は、1世帯あたり月3万7200円が上限であったが、改定後は383万円以上の上限が4万4400円まで引き上げられます。

 

◎有資産者や配偶者に収入がある方々は補足給付の対象から

外されます

生活保護受給者などの低所得者には、費用の一部を補助する「特定入所者介護サービス費」という制度があります。これまでは、前年の所得のみに着目して費用の補助をしていましたが、今後は前年の所得が低くても預貯金などが単身で1000万円超、夫婦で2000万円超ある超える場合は、補足給付は支給されなくなります。また、所得者本人が住民税非課税であっても、配偶者が課税されていれば、その場合も対象外となります。そして非課税扱いの遺族年金や障がい者年金も課税扱いの収入と仮定して判定されることとなります。

 

◎地域密着 特養への入所は要介護3以上

厚労省の発表によれば、2014年3月の時点で約52万人の入居待機者がいるとの事。今後これからも増える事が予想されます。

通常申し込んでから2~3年ん待つ事になります。このため、介護度の高い人が優先されることになります。しかし要介護1~2であっても現在入所している方や、やむを得ない事情によって特養以外の生活が難しいケース等は入居可能という特例はあるそうです。